記録用

考えたことの集積場

いろんな学びの場を見て考えたこと


2017年の8月から12月にかけて、4つの場所で「学び」について経験したことを、遅ればせながらまとめてふりかえったので書きます。長いです。2000字くらいあります。
キーワードは「集団でできる学び」と「点と線と面の学び」です。(借り物の言葉ですが、これ以上言い換えられないので引用しました…)
学びって、自分が納得して道を選んで生きるために学ぶのかな、と4つを通して思います。

◼︎旅×アート×αを体験するサービスのデザイン合宿(8/26~29)@香川:直島・豊島
◼︎2017年度日本デザイン学会秋季企画大会(10/13~15)@北海道:函館
◼︎サービスデザインワークショップ2017:Vol.2東京ステージ(12/9~10)@東京
◼︎Xデザイン学校公開講座in大阪:サービスデザインをパターンで考える(12/22~23)@大阪


①集団だからできる学びの形がある
未来デザイン研究会での夏合宿では、「個の学び」と「他者との関係性の中での学び」の相関が大事である、と経験した。
対象に自分で向き合い、自分という枠を突破して学びを深めるために他者と議論して、また自分で向き合う、という繰り返し。これが集団でしかできない学びの深め方であり、未来研でできる学びだ。

②面の学びを体感する
はこだて未来大の原田先生が以前から提言されている「点と線と面の学び」というものがある。
学生、社会人、大学教授でチームを分けて課題解決(あるいは、価値提案)WSを行うと、3つの学びのパターンにわかれる、というものだ。たぶん、以下のような把握だと思う。(間違っていたら教えてください!)

学生は「ひとつひとつの発見をするものの、発見を関連付けることができず、本質に迫れない=点で終わる学び」
社会人は「本質に迫るルートをひとつ見つけると、そこまで最短距離で進む学び=線の学び」
教授は「様々な角度から発見を見つけて、多角的に本質に迫る学び=面の学び」

この話を前提にして行ったフィールドワークでは、仮説や予想を元にするのではなく、純粋にフィールドワークの中に落ちている発見を大切にして函館のまちを歩き回った。


③点と線と面を比べてみる
東京・大阪でのWSでは、上記の「線の学び」と「面の学び」の比較ができた。
グループは「仕事でサービスデザインを行っている社会人」「サービスデザインを(たぶん)初めて学ぶ台湾の方」もしくは「サービスデザインを初めて学ぶ学生」で構成され、課題に対する取り組みの形がはっきりと違うのが印象的だった。
この違いを見ていると、どんな取り組みの形のなかでも学びの場においては、「自分が今、この場から学びを得るためにはどうすればいいんだろう?」と問いながら取り組むことが大切なのでは、と思う。

f:id:mz003:20180102022118p:plain

▲WSが終わった後に、こういう構図だったんだなと振り返ったメモ。
これをWS中に、自分が今している考え方って、本当にこの時間で一番学べる方法なの?と疑ったらもっと違っただろうか。 

④「集団の学び」に必要なもの
全てがグループワークだった4つを通して感じたのは「他人と100同士で議論する必要性」だ。
「集団の学び」において、遠慮や思考のセーブは大きな障害になる。
経験者と未経験者が同じ学びの場にいたとき、「未経験者の学びになるように」と身を引いてしまう状況を何度か経験した。しかし、未経験者側にとっては非常に歯痒いことだと体験してわかった。
上記の画像でいうなら、Bは100を出して臨んでいても、Aが70しか出さなければ、Aの想像の範疇で議論が収まってしまうことに、(それを提案できないことも含めて)歯痒さがあるのだと思う。
これは「Aの線以外の場所に落ちているかもしれない学びを得られない」からだ。
学びに来た場所で失敗しないことは学びにならない。誰もが100の出力でなければ、①で書いた「自分の枠を突破する」ことも叶わない。
集団で学ぶためには、同じ考え方の人ではなく、同じ熱量の人が必要だ。
わたしの世代の未来研ではそういう環境があったのではないだろうか。

 
わたしが大切にしたい学びの姿勢
(1)「自分が今、この場から学びを得るためにはどうすればいいんだろう?」と考える
(2)「点と線と面の学び」を頭において、今自分はどこにいるのか、を考えてみる
(3)学ぶ場では誰もが100をもって臨む(そうでなければ、自身の/互いの学びにならないのでは?)

学びの場の観察をする中で、学生と社会人って「問いへの時間の割き方」のクセが違うのだと思いました。

わたしはこれからどうなっていくのかな、と不安に苛まれていたら、先日安武先生からこう言われました。いつか自分がこの記事を見直したときに、「そうだよね」と言えるために書いておきます。
「あなたたちの学ぶスタイルは、『作って壊すを繰り返す』こと。だからずっと固まらずに変化していけるんですね」

長くなりましたが、今年も頑張って走っていきます。
昨年は大変お世話になりました。きっとこのブログを読んでくださっている方には特にお世話になっていると思います。ありがとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。