記録用

考えたことの集積場

第17回情報デザインフォーラム

 
千葉工業大学にて開催された情報デザインフォーラムに、ポスター発表者として参加してきました。
テーマは「キヅキとデザイン」。私なりのキヅキをまとめました。
 
▶︎WSにて出た「未来のデザイナー像」への違和感
▶︎「愛が無いね」の「愛」が必要なわけ
▶︎「作業」とは
 
あんなにたくさんチームがあったのに、20チーム×4人もいたのに、懇親会でWSの「未来のデザイナー像」をお聞きすると似通った印象がありました。全てのチームの方のデザイナー像を聞いたわけではありませんが。
「様々な職域・視点、考えの人を一つの目標へ引っ張り、管理し、活かすディレクション能力」「目の前の問題解決ではなく、問題解決の先までを見据えて行く視野」「”デザイナー”ではなく”デザイナーズ"」この辺りが皆まとまって同じであるように感じ、また、人に聞いた際に率先して出てくるワードでもありました。加えて、「未来のデザイナー像」≒UXデザイナー?のように感じ、未来のデザイナー像ってこんなに固まってていいんだろうか?それって今のデザイナーではないのか?と疑問に…。何かこう、何か原因や他にデザイナー像があるのではないか?とモヤモヤしています。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
予想としては、情デフォーラムの場に集まる人々という種類の人達の未来像だったからか、「未来」ではなく「今」の中の少し進んだ人、というデザイナー像だったからか、と考えています。似通っているのはこれからのデザイナーに必要なことが明確にわかっている人の集まりであったからかもしれないし、これから本当に大切なことが出て来たのかもしれないのですが。この辺りが解決できませんでした。
 
一方、スッキリしたこともあります。自分のチーム内で何気なく出た「信念とか根性が要るよね」「問題を発見する力が要るよね」、他チームから出た「体力が要る!」というお言葉から、「それって愛ありきだな…」と頭の中で結びついた事です。
というのも、今回私がポスター発表を行った現在進行中のプロジェクトが大きく崩れた際、未来デザイン研究会の先輩から頂いた「愛が無いね」という一言を頂いたばかりだからでした。「愛って?現地取材で”好感”は湧いたけれど…」と哲学の議題のように悩んでいたのですが、信念や根性、体力を注ぐことや、問題を抱えている事象の中の核心になっている原因を考える為には、その相手(対象)への情熱≒愛が必要なのだとようやく理解できたのです。
以前から定型文のような文章として「愛や相手へ尽くす気持ちが大事なんだよ」ということを聞いていたものの、逆に「愛が無ければ何ができないの?」「手法を経て問題解決をするだけではどうして駄目なの?」ときちんと考えていなかった事に気が付きました。これも気付きです。
そしてこれを考える上で、現在崩れかけてしまったプロジェクトへ向かう数日前の自分の間違いにも気が付きました。私は恐らく愛を持ってプロジェクトに臨もうとしていたのではなく、「頭を使う」という作業をしようという気持ちでプロジェクトに挑戦しようとしていたのです。常日頃から「作業になっているよね」と突っ込みを頂いていますが、ただ手を動かすことだけが作業ではないのだろうと思いました。
 
また、情報デザインフォーラム開始前の千葉工大の方々の発表も少し聞く事が出来ました。そこで驚いたのは、参考文献の中身まできちんとまとめ、それが制作のどこに活きているのかが明確だったことです。どこに活きたのか?が明確ということは、文献の中身を理解して応用までができているということ。自分の中でそれなりに活きてくるだろう、とぼんやり考えていた部分にグサっと刺さりました。
 
ポスター発表に関しても年代・職業様々な方からアドバイスや質問を頂きました。今回の気付きも加えてこれからの取り組みに活かしていきます。
今回の失態は問いを明確に持たないまま過ごしてしまった事。デザイナー像に関しては特に。あとから「もっと聞けば良かった」と後悔しました…。
また、安藤先生のお言葉で「そんなのわかってたよ、というキヅキが学生から出てくる」というお話があり、これも刺さりました。上記の私のキヅキは浅くないか?と不安になりつつも、浅ければ調査の浅さや大雑把にまとめてしまっていることや、得た情報の結びつきが単純すぎるということ。WSでのお言葉は、こういうところにも出てくるのだな、と。
 
あともう一つ印象的だったのは、パソコンを使用したオンラインRTDです。今回の省察をする際にも使わせて頂きました。
研究会の活動で議事録的にパソコンを使って発言などを記録することは私もあるのですが、目に入ったときの全体の統一されたフォーマットに驚きました。そのまま冊子にできてしまうような美しい配置や文字サイズの飛び具合、フォントの使い方。現場で撮影した写真も差し込み、講演やWSなどの活動に合わせた構図がきちんとできあがっており、見たくなる情報のまとめ方だなあと逐一追いながら参加していました。
会場内でも頻繁にスマートフォンで更新を行う方がちらほら見られました。WSになるとそれぞれが行動している事もあり見る事は途絶えがちでしたが、WSの様子や各チームの発言、出来上がった作品、進行の記録がきっちりと行われている事にそっと感動しました…。
 
こうした場所に来ると心が端から折れて行くのを感じるのですが、同時に下がりかけていた意欲がまた頭を出してきます。現地でお話してくださった方、ポスター発表に耳を傾けて下さった方々、ありがとうございました。